言語を学ぶ上で重要なのは、そのプロセスです。でたらめなプロセスで学ぼうとすると、どうしても効率が悪くなってしまいます。そこで今回は、正しい言語学習のプロセスを解説していきます。あなたがどうやって日本語を習得したか、を思い出せれば答えは自ずと出てきますよ。
赤ちゃんのように学ぶ
言葉を学ぶプロセスの答えは簡単。赤ちゃんを想像してみてください。彼らは何も話せない状態から成長するにつれて、母国語を習得していきます。これが言語習得の適切なプロセスなのです。
まずは聞く力が身に付く
赤ちゃんの頃を思い出してみてください…ごめんなさい、難しいですよね。あなたの周りにいる赤ちゃんを想像してみてください。彼らは何も言葉を理解していませんが、周りの大人たちはしきりに「かわいい」「笑った!」「お腹空いたのかな?」など、と言葉を投げかけますよね。これが言語習得の始まりです。生まれてくる前のお腹にいる時でも、外の音は聞こえているそうですよ。無数の言葉のシャワーを浴びること。そうして徐々に言葉を理解していくのです。
聞く力から話す力へ
たくさんの言葉を聞いたら、今度はあたまの中で言葉と物事が結びつくようになります。いつも一緒にいるこの女性は「ママ」で男性は「パパ」と少しずつですが着実に言葉の引き出しができていきます。しかしまだ上手に発音することはできません。車を「ブーブー」と呼んだり、ご飯を「まんま」と呼んだり。これを喃語といいます。そして少しずつ音の出し方を理解して言葉を話せるようになる、これが聞く→話すのプロセスです。たくさん聞くことでインプットし、たくさん話すことでアウトプットして、言語を習得していきます。
聞く力と話す力から読む力へ
子供はある程度大きくなると、絵本に夢中になります。まだ読めませんが、絵を見ながらなんとなく情景を想像しているのかもしれませんね。そして次第に、自分が話している言葉と文字を結びつけていきます。「あれ、この形どこかでみたぞ?」そういった小さな気づきから文字が読めるようになっていくのです。そうして文字の形と言葉がつながり、その言葉と音がつながっていきます。つまり、読むためには言葉を知っていなければなりません。そこで聞く、話す力が重要になってくるのです。たくさんの言葉を耳で知っていれば、それだけ文字の理解が速くなります。
すべての力の集大成が書く力
そして最後に子供が身につけるのが書く能力です。書くには、もちろん文字を書くという意味もありますが、文章を作る力も重要ですよね。まず文章を書くためには、文字を書ける必要があります。ここで重要になるのが「読む」力です。書くということは、呼んでいる文字を真似するという行為。読めなければ、文字も書けません。そして、文字を習得したら、話したいことを頭に浮かべてそれを文字に起こして、書き出していくことになります。「書く」力はどの技能よりもはるかに難しいものなんです。ここでもやはり、「読む」というインプットがあって初めて、「書く」というアウトプットができるようになります。
言語学習に当てはめてみる
長くなりそうなので、早速まとめに入りますが、この赤ちゃんの言語習得プロセスを大人の今実現しようとするとどうなるでしょうか?仮に英語を勉強する場合と想定します。
言葉のシャワーを浴びる
まずは英語のシャワーを思う存分浴びましょう。洋楽をひたすら聴き続ける、でもいいですし、英語音声で映画を見るでも構いません。その媒体はなんでもいいですが、自分が興味を持てるもの、楽しいと思えるものだけを選んでください。そうしないと、継続することが難しくなります。
大人なので、事前に文法の知識を覚えてから言葉のシャワーを浴びるとより効率的です。完璧には理解できなくても、単語が聞き取れた!だけでも最初は嬉しい気持ちになりますよ。
オンライン英会話などで話す練習をする
多分、おそらく多くの人が苦手とするところだと思います。英語を話すのが恥ずかしいと感じてしまう人も多いでしょう。しかし、思った以上に相手はあなたの発音や文法なんて気にしていません。あなたの話を聞きたいのです。文法のミスを恐れず、知っている単語だけで堂々と話してみる、これがなによりも重要です。いきなりネイティブと話すのが難しければ、同じく英語を勉強している日本人でもいいです。とにかくたくさん話してみること、これだけであなたのスピーキング力は格段にアップします。
どうしても人と話す勇気が持てないなら、独り言や考え事を英語で行うこともおすすめ。人の目を気にせず、練習ができます。
簡単な本をたくさん読む
コミュニケーションを取りたいだけなら、読む能力は必要ないかもしれません。ここはあなたが何を目的に英語を勉強するかによります。もし、文章を読めるようになりたいなら、まずは簡単な本をたくさん読むことをおすすめします。まるで子供が絵本を読むように。そうして書き言葉のボキャブラリーを増やしていきます。書き言葉と話し言葉では違いがあるので、本当に読めるようになりたければ、書き言葉のボキャブラリーもしっかりつけておくことをおすすめします。このボキャブラリーは、書く技能でもその力を発揮してくれますよ。
英語で日記を書いてみる
文章を書く機会はなかなかないですよね。資格試験があれば別ですが。そんな時は、日記や自分の気持ちを英語で書いてみるといいですよ。自分の気持ちのままに、思いつくままに英語で文章化してみてください。その時に出てこなかった単語や表現をまとめておくと、自分だけの単語帳が出来上がりです。このような単語は日常的に使われる単語なので、日常会話にも役立ちますよ。本気で文章力を上げたければ、書いた文章をプロやネイティブに添削してもらうことをおすすめします。
インプットからアウトプットへ
言語を学ぶ上で最も有効なプロセスは膨大なインプットから、膨大なアウトプットをすることです。日本人のほとんどは、英語に関してかなりのインプットをしてきたはずです。しかしそれに対して、アウトプットが伴っておらず、十分な英語力がない人が多いように感じます。言語学習は、インプットとアウトプットの繰り返し。恥を捨てて、思いっきりアウトプットを楽しみましょう!